2026.09.08 上司の人間性は、「悪い知らせ」への第一声に表れる

先日の講演でお話ししました心理的安全性について、このブログで補足したいと思います。
「確認漏れがありました」
部下からこう報告されたとき、最初にどんな言葉が出るでしょうか。
「どうして、そんなミスをしたの?」
それとも、
「教えてくれてありがとう。まず状況を確認しよう」
でしょうか。
上司に求められる人間性を考えるとき、この「第一声」を入り口にしてみたいと思います。
組織心理学には、「心理的安全性」という概念があります。
疑問や失敗を話しても、馬鹿にされたり、拒絶されたりしないという安心感が、チームで共有されている状態です。
エドモンドソンが製造企業の51チームを調べた研究では、心理的安全性は、失敗について話し合うことなどの学習行動と関連していました。
ただし、これは「ミスを見逃す」「厳しいことを言わない」という意味ではありません。
心理的安全性と、仕事への責任や高い基準は両立させるものです。
そこで実践したいのが、
「人への敬意」と
「仕事への厳しさ」を
分けて考えることです。
「あなたは本当にだめだ」と人格を責めるのではなく、「どの確認が抜けたのか」「手順にわかりにくい点はなかったか」と、行動や仕組みに目を向ける。
そして、報告してくれたことは受け止めつつ、必要な改善は曖昧にしない。
相手との親しさや、その日の気分によって対応を変えず、同じ基準で事実を確かめる公平さも、忘れずにいたいところです。
ここに必要なのは、単なる愛想のよさではなく、自分にとって不都合な話にも耳を傾け、相手の尊厳を守る誠実さではないでしょうか。
安全や品質を守る職場を目指すなら、確認したいのは「部下に報告を求めているか」だけではありません。
「私は、悪い知らせも伝えられる上司だろうか」
次に報告を受けるときは、結論を急ぐ前に、まず最後まで聞く。
その一歩から、自分の関わり方を見直してみませんか。

