2026.05.25 職場アンケート調査の作り方‥‥‥メンタルヘルス・心理的安全性・組織風土を読み取るために
タグ:アンケート調査, メンタルヘルス研修, 心理的安全性, 質問紙調査, 集団心理

《職場の心理的安全性を確認する方法》
先日、ある企業様での講演後のお茶会で、職場の心理的安全性について話題になりました。
「自分たちの職場に心理的安全性があるのかどうかを確認するには、どうすればよいのでしょうか」
このようなご質問をいただくことがあります。
《アンケート調査が形骸化する理由》
職場の心理的安全性に関わらず、職場のメンタルヘルス、ハラスメント予防、離職防止、管理職と部下の関係性、チーム内のコミュニケーション。
これらを考える際に、まず思い浮かぶ方法の一つがアンケート調査です。
しかし、アンケート調査は、ただ質問項目を並べればよいというものではありません。
たとえば、心理的安全性について調べたい場合に、
「あなたの職場には心理的安全性がありますか」
「上司に意見を言いやすいですか」
と直接尋ねるだけでは、回答者には調査の意図が見えやすくなります。
すると、会社にどう見られるかを気にして無難な回答を選んだり、反対に日頃の不満が強く反映されたりすることがあります。
つまり、アンケート調査は、作り方によっては職場の実態を把握するどころか、形骸化してしまう危険性があるのです。
《大切なのは「良い・悪い」ではなく心理的傾向を読むこと》
大切なのは、
「よいか、悪いか」
「できているか、できていないか」
を単純に判定することではありません。
むしろ、職場という集団の中に、どのような心理的傾向があるのかを丁寧に読み取ることです。
心理的安全性を確認する場合でも、「心理的安全性がありますか」と直接尋ねるだけではなく、日常の場面に即して設問を組み立てる必要があります。
「困ったときに相談しやすいか。」
「ミスや違和感を報告しやすいか。」
「会議で異なる意見を述べやすいか。」
「上司からの指摘を、過度な不安なく受け止められるか。」
「周囲の目を気にして、本来必要な発言を控えていないか。」
このように、具体的な行動や場面を通して尋ねることで、職場の組織風土や集団としての心理的傾向が見えやすくなります。
《職場の組織風土を見える化する質問紙の作成》
現在、Cogito Laboでは、こうした点に留意しながら、ある職場においてアンケート調査を実施しています。
今回の調査では、心理的安全性も一つの観点として含めていますが、目的は単に「心理的安全性があるか、ないか」を判定することではありません。
職場全体として、どのような場面で発言しやすく、どのような場面で遠慮や不安が生じやすいのか。
管理職と一般職、部署や役割によって、職場の見え方に違いがあるのか。
こうした包括的な傾向
を読み取ることが重要になります。
《職場アンケートの分析で大切な視点》
また、職場アンケートの分析では、研究論文のように厳格な統計的有意差だけにこだわる必要はありません。
もちろん必要に応じて統計的な検討を行うことはありますが、現場のメンタルヘルス管理や職場改善においては、
まず全体の傾向を把握し、どこに課題の兆しがあるのかを読み取ることが大切です。
アンケート調査は、点数をつけて終わるものではありません。
結果を分析し、フィードバックし、管理職研修やメンタルヘルス研修、心理的安全性の向上、コミュニケーション改善へとつなげていくことで、初めて意味を持ちます。
《メンタルヘルス管理に活かすアンケート調査》
Cogito Laboでは、職場のメンタルヘルスや心理的安全性に関する研修だけでなく、
心理学・集団心理学の知見をもとにした質問紙の作成、分析、フィードバックを通して、集団としての心理的傾向をふまえたメンタルヘルス管理にも取り組んでいます。
職場の雰囲気を何となく感じるだけでなく、そこにある心理的傾向を丁寧に言語化すること。
そして、その結果を現場で活用できる形に整理すること。
それが、職場アンケート調査を行ううえで大切な視点だと考えています。

