2020.02.25 軽運動効果…脳(海馬)の中の神経を増やす
タグ:メンタルヘルス, 脳のメンテナンス, 脳科学, 記憶障害, 認知機能, 認知症, 身体のメンテナンス
先日、軽い運動をすることで、脳の中の海馬と言われる部分に新しい神経細胞が増えて、結果的にうつ状態の改善や認知症の予防になる記事を書きました。
今日は軽い運動は具体的にどのような運動なのかフィンランドの Jyvaskyla大学のMiriam S. Noki先生はじめとする研究者グループがネズミを使った実験を参照しつつご説明したいと思います。
実際の論文はこちらをクリック
まず行われたのは、ネズミを
➀何もさせずほぼ座りっぱなしのグループ
=運動をしないグループ
➁回転車の中に入れて回転車を回して強制的に運動させることを求刑を挟みながら繰り返すグループ
=高強度インターバルトレーニンググループ
=強い運動グループ
➂自由に回転車で運動をさせたグループ
=ランニンググループ
=軽い運動グループ
どのグループの海馬に一番多く新しい神経細胞ができたか。
結果は以下の通り。
➂ランニンググループ
=軽い運動グループが
断トツに新しい神経細胞が増えていました。
次に増えていたのは
➁高強度インターバルトレーニンググループ
=強い運動グループ
です。
しかしながら、➂ランニンググループ=軽い運動グループの方が3倍以上の量に増加しています。
増えていなかったのは
➀ほぼ何もしないグループ
=運動をしないグループ
これは予測通りですね。
まず、この実験から言えることは、
軽い運動が海馬に新しい神経細胞を増やすのに効果的であるということ。
加えて、私はこの実験から、推測ではありますが、2の可能性も指摘したいと思います。
まず一つ目
➁強い運動グループと➂軽い運動グループの差は、単に運動の強度だけでなく、
➁強い運動グループは
強制的に回転車を回されて運動をさせられていること
その一方➂軽い運動グループは
自由にやりたいときに運動をしていること
させられている運動と
自分の意志で行っている運動と、
その違いも結果に出ている可能性を感じます。
二つ目
最初と最後の間は9カ月と言う期間でした。
➀ほぼ座りっぱなしにしているグループは
最初と最後で新しい神経細胞は増えておらず、差がなかったという結果ですが、
もしも、もっと長い期間を設定したら、
老化によって、
海馬内の神経細胞が最も減少したグループになる可能性
があるように思います。
勝手な私の推測をいれて、
うつ状態の改善や認知機能の老化防止に最適の運動は
自分の意志で自由に軽い運動をすること
ではないかと思います。
もうひとつ、筋トレについてもこのグループは実験していますので、次の機会にまた記事に上げますね。
参考文献
Physical exercise increases adult hippocampal neurogenesis in male rats provided it is aerobic and sustained – Nokia – 2016 – The Journal of Physiology – Wiley Online Library
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1113/JP271552/abstract
次の記事はわかりやすくまとめている記事です。
Which Type of Exercise Is Best for the Brain? – The New York Times
http://well.blogs.nytimes.com/2016/02/17/which-type-of-exercise-is-best-for-the-brain/