2025.04.03 Z世代の本音に届く管理職とは?世代間ギャップを超える対話の技術
企業研修で
「Z世代とどう接すればいいのか」
という相談をよく受けます。
特に40代後半から60代、とりわけ50代の管理職の方が価値観やコミュニケーションに戸惑うことが多いようです。
Z世代は
SNSが生活の一部になり、
多様性を重んじる風潮の中で育ったため、
従来の日本型組織とはかなり違う感覚をもっているからです。
思えば、いつの時代にも
「近頃の若い者は…」
という声はありました。
かつては今の大人たちも同じように言われたことがあるはずです。
しかしZ世代との距離感には、単なる世代間ギャップ以上のものを感じる方も多いでしょう。
そこで大切なのは「彼らを変える」よりも
「自分の認知の枠組みを見直す」ことです。
心理学でいう認知行動療法の視点を取り入れると、
新しいものに対する拒否感をいったん脇に置き、相手の価値観を尊重しようとする姿勢が生まれます。
「近頃の若い者は…」という思い込みから離れてみると、Z世代の斬新な視点や自由な発想に気づけるはずです。
もちろん、長く働いてきた管理職の方が培った経験や知識は、若い世代にとって貴重な財産です。
ただし「自分が正しい」「教えてあげる」という前提では、その良さが届かなくなることもあります。
互いの価値観を尊重し合いながら、お互いに学ぶ姿勢こそが新たな活気を生み出します。
Z世代が持つ新しい風を、組織のイノベーションにつなげるかどうかは管理職の接し方次第です。
まずは「近頃の若い者は…」という先入観を一歩引き下がって見直し、相手の背景や思いを理解しようとする姿勢をもってみてはいかがでしょうか。
そこから信頼関係を築き、新たな可能性を模索するヒントが生まれます。
世代間ギャップは過去にも何度も繰り返されてきましたが、デジタル技術の発展が急速な現代では、そのスピードやインパクトが大きく変化しています。
Z世代はオンラインのコミュニティで多様な価値観や情報に触れ、自分らしさを表現する術を自然に身につけています。
その背景を知ろうとする姿勢が、彼らと協働するうえで欠かせない鍵になります。
私たち管理職世代も、かつては上司や先輩たちから「理解しがたい」と思われていたことを忘れてはいけません。
そのとき、新しい視点や自由な発想を受け入れてもらえた経験こそが、今の私たちを支えているのではないでしょうか。
過去の体験を振り返り、彼らの言葉に耳を傾けることで、共に成長できる道が開けるはずです。