2025.07.10 「先を読み、他者の視点を想像する力」——静かなリーダーシップの資質として(講演後にいただいた質疑応答から)

先のブログの続き、二人目の方のエピソードです。
先日の講演のあとに、非常に印象に残るお話を伺いました。
それは、あるご参加者がご自身の思考の傾向について、こう語ってくださった場面でした。
「何かを判断したり、行動を起こしたりするときに、
つい『他の人だったらどう考えるか』を想像してしまうんです。
しかも、一度判断しても、それで終わりにできなくて、
その後にどんなことが起こるか、先々をずっと考えてしまうんですよね……」
ご本人は、やや自嘲気味にその習慣を語っておられましたが、
私はむしろその言葉に、
深い思慮と他者への敬意、
そして慎重で誠実なリーダーシップの資質をおもちだなぁと感じました。
《他者の立場に思いを寄せ、先を見通す力》
こうした思考の特性は、日常の意思決定においては時間や労力を要することもありますが、
組織の中で他者と共に動く際には、大きな価値を持ちます。
相手の視点を想像する力は、
共感力や対人調整力につながります。
決定の「その先”までを読み取ろうとする姿勢」は、
リスク管理や持続的な視点につながります。
こうした力は、声高にリーダーシップを発揮するタイプではなくとも、周囲を深く理解し、静かにチームを支える
「縁の下の力持ち」として機能する、内向型リーダーシップの核とも言えるでしょう。
《思考が深い人ほど、自分を「重く」感じやすい》
一方で、このような高い思考力や想像力をもつ人ほど、自分自身の内側に長くとどまりやすく、周囲が気づかないところで心のエネルギーを消耗しやすい傾向もあります。
表には出さなくても、思考と感受性の深さが、静かに疲れを蓄積させてしまう可能性があることにも注意を払う必要があります。
企業のメンタルヘルスの視点から見れば、こうした方々は「困っているように見えない」ために見過ごされがちですが、
非常に繊細で、大きな責任感を背負いやすい人たちとも言えます。
《思考力と感受性を「負担」ではなく「力」として活かすために》
このような思考特性の方々がその特性を充分に発揮するためには
「自分の思考の豊かさを認め、思考を整理する習慣」を持つことが鍵だと思います。
たとえば、
◆書き出して頭の中を「見える化」する
◆誰かに話して整理する
◆小さな決断に「完了」を意識的に与える
◆思考の余白として“無目的な時間”を意識的に持つ
こうした工夫を通じて、
思考の深さを整え、自分らしいリーダーシップや判断力として、より健やかに活かしていくことができるのではないでしょうか。
実際の現場の方の声から得た気づきのエピソードを2つごy掃海しました。
今日のこのブログが、どなたかの気づきや支えになればうれしく思います。

