2020.06.30 ストレスとカルシウム
タグ:ストレス解消の工夫, 神経心理カウンセリング, 脳科学, 記憶障害
ストレスを受けると、その最初の段階で脳の視床下部や下垂体、副腎皮質から分泌されるホルモンの働きで、不安や緊張が緩和しようという働きが体に起こります。
心身のバランスをとるためのシステムが働くわけですが、良い結果ばかりにつながるとは限りません。
その一つの例が
カルシウムの摂取。
副腎皮質から出されるホルモンの働きで食物とともに取り込んだカルシウムの小腸での吸収が妨げられ、
尿と一緒に排出してしまうことがあります。
血液中のカルシウムが足らないと骨からカルシウムが補われるので、骨がスカスカになるカルシウム不足は骨粗しょう症の原因となるというのは、言われて久しいですが、そもそも、ストレスでカルシウムの吸収が阻害されるなら、
ストレス状態化で骨粗しょう症にならないようぬといくらカルシウムを含む食事をとっても
常にカルシウム不足。
このカルシウム不足が、
脳の神経細胞の外側と内側で精神的に悪い影響を及ぼします。
まず内側では神経細胞間での
神経伝達物質に対する影響。
カルシウムは脳の神経細胞間で神経伝達物質をやり取りするのに記憶保持など重要な働きを果たすために必要な物質です。
カルシウム不足の状態が長く続くと、血中カルシウム濃度が低下して、
この脳機能が低下する恐れがあります。
細胞の外側でのカルシウムは、ニューロンの活動が不用意に起こらないように、
つまり脳神経の興奮を抑える役割を持っています。
カルシウムが不足すると、この作用が低下して、脳神経の活動が無意味に起こりやすくなり、
イライラする結果となります。
ストレスが心身の影響を及ぼす段階は、複数の要因が絡み合っていて、カルシウムはこの一例です。
どのような機序でストレスを受けると心身の働きが低下するのか、理解しておくと、日ごろの食生活の意識も変わってくると思います。