2020.05.07 人間関係の悩みにとらわれている枠を打破…思考は現実化する
タグ:ストレス解消の工夫, メンタルヘルス, 心のメンテナンス, 心理検査, 自己分析
昨年末、職場の人間関係で悩んで転職を考えている方がカウンセリングに来られました。仮にこの方の名前を桃子さんとしましょう。
海外のトップレベルの大学院を修了されて、言葉の端々に教養が感じられる方でしたが、今の職場で人間関係がストレスフルで、また自分が行う仕事に対してつけられる評価も低く、段々と気力が落ちてきたと。
【1】人間関係で悩む桃子さんを取り巻く状況
朝、職場に行くのも重い気持ちで、お話を伺っている限り、鬱の初期の状態でした。
人間関係の問題は大方の場合、その人があまり意識していないところに要因
がある場合が多いです。
色々話を伺っていると、次のようなことが、わかりました。
・今の職場は8ヶ月前に転職した職場で、期間契約の更新制で、自分としては、とりあえず、次の仕事への繋ぎの仕事として考えていたこと。
・専門職の仕事ということで就職したものの、行っているのはジム的な作業が大半を占めること、
・立場の違うA上司とB上司の間に立つ立場で、この二人はお互いにkそいあうようなところがあり、その間に立って理不尽なことも多いとのこと
・A上司は事務担当で事務的な仕事の要領が悪いことを責められるとのこと。
・、B上司は専門領域担当で、専門家としての知識やセンスのなさを責められるとのこと。
・B上司は同い専門領域の研究をしていた人であるとのこと。
彼女自身、
ストレスフルなことが多すぎてどうすれば良いか、わからない、
自分に対する自信もなくなってきた
ということで、
自分の問題の全体像がつかめずそれも悩んでいるとのことでした。
【2】人と人との力動関係(パワーとパワーの綱引き)のひずみ
人間関係の悩みで、根底にあるのは多くの場合
力動的な人と人との綱引きのバランスが壊れ
です。
桃子さんの場合の力関係の壊れは3点あります。
1.A上司とB上司の綱引き。
現場にトップが二人いる正体はうまく回れば最強ですが、お互いに力お居士を始めると、その間に入る人(この場合桃子さん)に大きなストレスがたまります。
2.A上司とB上司、それぞれが桃子さん寄りで来ることを誇示したい欲求の存在
桃子さんは、A上司とB上司よりもずっと専門的な知識やセンスが高く、その力を弱めるべく、A上司からは、事務仕事ができないこと、同じ専門領域の専門家であるB上司からは専門家としての力がないことが責められていたと思われ、言い方は悪いですが、A上司とB上司ともにこの方のパワーを弱めるべく無意識的に働いたものと分析しました。
3.全体を総括するトップの不在
桃子さんが属する組織はあるプロジェクトのために、色々な団体からの人材が集められた組織で、いわゆる、実質的にトップとして総括する人(形式的にはいます)がいず、俯瞰的に組織を見てそのバランスをとる人がいなかったこと
【3】まずは桃子さんの心理分析から
心理検査の結果、桃子さんの自己肯定感は低く、今の状況のままだと悪循環から抜け出せないものと思いました。
期間契約で更新制で、桃子さんは就職当初一時的な仕事と捉えていたにもかかわらず、構えとしてはずっと続けていくという気持ちにいつのまにかなっていいました。
おそらく、ストレスが続く中で、自己肯定感の減少と判断力の低下が現在の状況を生じさせていたものと考えられました。
【4】桃子さんへのアドバイス(私事的カウンセリング)
ここで、私が一つアドバイスしたのは転職です。
すぐにということではなく、
転職にアンテナ
を張ってはどうかと。
カウンセリングの形でいくと指示的カウンセリングですね。
転職などという生活の基盤に関わることをカウンセリングでアドバイスすることは危険という向きはあろうかと思いますが、
心理検査の分析の結果から
彼女が過去の自身の足跡に大きな達成感と自信を持っていること、
また、心理検査の分析から
彼女の専門領域が彼女のパソナリティともあっていること、
グローバルな視点を自然と持つことができる人であると分析できることや、また
実際そのような経歴を持っていることなどから判断し。
今一度、専門領域でインターなりょなるに働ける職場への転職をアドバイスしました。
【5】狭まっている視野を広げる
もちろん、今すぐに急いでということでなく、転職を視野に入れるということです。
そうすることで、毎日の生活に狭まっていた視野が、
この先を見据えた広い視野になり、
おそらく、桃子さんの
潜在的な心的エネルギーが活性化
するのではないかとおもい判断しました。
すぐにどうのこうのということでなく
そのような意識を持つことで、人は無意識的にそれが達成する方向に「判断(=Decision Making)していきます。
【6】その後
それから数ヶ月がすぎ、1ヶ月に1度ほどのカウンセリングで、心のメンテナンスと転職のモチベーションの維持に努めていたある日、桃子さんはふと、出かけた大きなイベントで、偶然にも以前に面識のあった同じ専門領域の研究者の方にお会いし、今何をしているのかの話になったと。
で、今の非常勤で働いているとを告げると、うちのところで働かないかという話になり、当初はありがたい反面、不安と自身のなさで若干の躊躇が見られたものの、
カウンセリングで後押しし、また、
パーソナリティ分析を踏まえた面接対策も行って、見事、今年の夏から、新しい仕事でポジションを得られることとなりました。
大変責任の重い仕事ですがグローバルに活躍できる仕事でもあり、桃子さんの新しい世界が広がったと、私も大変嬉しく思っています。
【7】思考は現実化する
ここで、彼女が、無意識的に取った行動「ふと、出かけた大きなイベント」がターニングポイントとなりました
私クライエントの方によく言うことは、ナポレオンヒルの言葉
「思考は現実化する」
ということです。
こういう方向がより良いのではないかと見えた時、どういう風にすれば良いか皆目検討がつかなくとも、
そっちの方向へいつか絶対行くぞ
という意思を意識を強く持つことによって、
日常の一つ一つの判断が
その方向へと導かれます。
なんだか、とりやめなくながくかいてしまいましたね。もしも、人間関係で悩んでいる方がおられたら、視点を変えて、問題の原因を探り、どうすればよいかを考えて、その方向に向かうと意識を持つ、このようなことを参考にしていただければよろしいかと思います。