コギト・ブログ

2020.01.18 デスプラさんが制作された室内オペラ「サイレンス」を観にロームシアターへ

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グラミー賞やゴールデングローブ賞などで作曲賞を受賞している作曲家・アレクサンドル・デスプラさんが制作された室内オペラ「サイレンス」を観に行ってきました。

オペラサイレンス オペラサイレンス2

場所は平安神宮近くのロームシアター、白川のオフィスから歩いて15分のところにあります。

このオペラは川端康成の生誕120年を記念して、彼の作品『無言』にインスピレーションを受けて制作されたオペラです。

日本の伝統的な音楽が感じられる凛とした音に、しばし、舞台の中へ引き込まれました。

おそらく脳血管障害で言語障害はじめ身体の麻痺が生じた偉大な小説家だった老人のもとへ一人の小説家が訪ねていくという設定なのですが、その老人の世話を「オールド・ミス」の娘さんが世話しています。
彼女は言葉の発せない父親に代わって気持ちを代弁し、それが高じて、『娘が読む』という小説を父の代弁として書き表してみようかと、訪ねてきた小説家に聞くというくだりがあるのですが、妙に介護をしていたころの自分と父に重ね合わせてしまいました。

「カタカナ」ぐらいは意思表示につかえるだろうと、小説家が老人に迫るのですが老人は反応しません。
目を開けて視点を合わせている視線がスクリーンに映し出されて、ちょうどうちの父と同じように、左半球の脳血管障害で言語機能が失われ、重度の右半側麻痺が残って、ベッドからも起き上がれず、状況が理解できているのか否かはさて?といった感じです…ということを考えてしまうところが…芸術を芸術として受け取れない職業病です…

自分と重ね合わせると、父は応答ができなく理解できているかどうかも定かではなく、「無言(サイレンス」だったので、私は父と話すときは一方的に話して、質問しても自分に答えるような会話をしていたので、改めて父はあの「無言(サイレンス」の中に何を感じ、何を思っていたのだろうと考えてしまいます。

音楽、演出も含め色々と余韻が残るオペラでした。

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